glay-usagi’s diary

ASDグレーゾーン「うさぎ」の、理解されない人生の記録

20190623192406

夜な夜なパズル!ー前編ー

20200305143135

 

私は週2日はWワークで他のバイトをしていますが( → 参考記事: もうひとつの方のバイトのこと )、残りの週4日は深夜のスーパーでパズルをして遊んでいます

大きなパズル」がメインですが「小さなパズル」もあります。もうひとつ「明日のパズル」もあります。それでお給料をもらっています。とても楽しいことです。

大きなパズルとは売場の品だし」で、小さなパズルとはレジのカゴ詰め」です。明日のパズルについては、書ききれないので次回にします。どれも頭をフル回転させ、直観と経験と度胸を全投入して『図柄』を完成させます。

私がスーパーで働こうと思ったのは、ただパズルがやりたかったからです。過去に近所のスーパーに買い物に行ったとき、レジのカゴ詰めや売場の陳列棚を見て「私ならきっと、もっと綺麗に並べるのに…」とよく思っていました。

だから今の仕事は私にとって、ずっとやってみたかった業務です。実はちょっと自信もありました。スーパーの仕事は未経験でしたが、入社初日にカゴ詰めをしたときに「あれ、経験者だっけ?」と訊かれたのはちょっとした自慢です。

 

大きなパズルの品だしは、空間パズルです本当に楽しいです。棚が綺麗に整い、徐々に通路全体がピシッと締まってゆく様を見るのが大好きです。思い描いた通りに進むと、なんて幸せな時間だろうと思います。嬉しくてニヤけすぎて「何ひとりで笑ってんの!?」と相方に訝しがられることもあります。

深夜の品だしは、基本的に肉体労働です。酒やペットボトルのケースを沢山運びます。それらをあっちこっち運んで陳列し、私の背よりも20cm以上高い棚上へも何ケースも乗せて降ろしてを繰り返します。

量も半端がないです。私が働いている店舗が、チェーン内でも有数の稼働率を誇る繁忙店だというのもあります。とても体力を使いますが、ジム代わりと思えばお得です。会費も掛からず、お給料を貰ってジムに通っているようなものだからです。

心から満足の行く『完成図』まで仕上げられるかは、いつも時間との闘いです。本来は良くないことですが、忙しいときにお客さんが来ると、時間を取られるのでイライラします。たまに他店舗に応援に行くと、暇なので心ゆくまで遊べるのが嬉しいです。

 

私はとても完璧主義で、どんなに客数が多くて忙しい日でも「妥協ができません。どうしても無理な日は、誤魔化しつつ手を抜きつつ… 最低限の売場作りを優先するやり方に切り替える必要があることはわかっています。

でも、わかっていてもできません。片っ端から完璧に綺麗に並べて行かないと、どうしても気が済まないのです。暇な日もありますが、忙しい日は大変です。10時間以上、冬でも汗をダラダラ流しながら動き続けます。朝方歩くのもフラフラになり、酷いときは身体中が筋肉痛になります。

それでも、取り敢えず… ではダメなのです。気持ちが悪くて堪りません。自分が納得の行くように整えられないのなら、この仕事を選んだ意味がありません。だから肉体的・精神的に限界を越えようと、時間が許す限り頑張ります。

どうしても時間が足りない日も稀にあります。業務上は、最低限納品した物が陳列されていれば問題はないのですが、私にとっては屈辱的な敗北です。全然気持ちがスッキリしなくて困ります。それだったら、無理をしてでも頑張った方が気持ちが楽です。

 

 

小さなパズルであるレジのカゴ詰めは、一戦必勝の真剣勝負です。カートの有無、カゴを再び戻すカートの待機向き、お客さんの年代やその他諸々の状況によって「どの部分に重心を寄せるか」「安定重視で広げるか、取りやすく寄せて立てるか」を考えます。

商品をカゴからカゴへ移す際の巧く入れるコツや、積み方のNGは様々です。NGの基準はお客さんの価値観によって異なるでしょうが、それはあらゆる伏線をヒントに判断します。お客さんの持ってきたカゴには、そのお客さんの価値感のヒントが詰まっています。

それらを読み解き瞬時に見極め、最短の動線で素早く、そして美しく移してゆく。早さと正解さを比例させ、その上で美しさも追求していくことは、正にパズルゲームの醍醐味そのものです。

 

商品が溢れんばかりの(中には実際ポロポロ落としながら持って来る人もいますが…) 異様なカゴを持ったお客さんが近づいて来ると、楽しみでワクワクします。腕の見せ所です。

さすがにはじめの頃は、中段のパンやスナックの山の下から、最後の最後に重いカボチャや酒瓶が出てくるとぎょっとしました。しかし今ではへっちゃらです。「なるほど、そー来たか!」と嬉しくなります。逆に何も出て来ないと、ちょっとガッカリもします。

カゴをパンドラ状態にして持ってくる人のカゴの底には、大抵は厄介な物が埋もれているものです。それを一瞬の動揺も見せずに、無表情でさらっと巧くやり過ごす… ちょっと玄人ぽくて、得意な気分になります。無表情を装いながらも、内心ではドーパミンが大量分泌していて叫びそうになっています

 

小さなパズルは、原則やり直しが効きません。そんなことをしていたら、レジに長蛇の列が出来ます。お客さんにとっても、気持ちの良い時間ではありません。余計なトラブルの種にもなり兼ねません。

しかももうひとつ、私には小さなパズルと並行して「数字当てクイズ」というゲームも待っているのです。( → 参考記事: 数字が苦手です ) 二つのゲームを交互にやるには、頭の切り替えが大事です。注意力が分散すると、どちらも中途半端な結果になります。

それに小さなパズルに時間を取られるほど、大きなパズルの時間が失われます。それが私にとっては一番の損失です。そんな『一発勝負』である緊張感が、小さなパズル最大の魅力なのです。

 

 

私が深夜に働いている理由はまたの機会に書きますが、深夜のスーパーで働くことは私にとってとても楽しいのです。しかし恐らく、世間一般的にはあまり良いイメージがないような気がします。

なんとなくですが、人に深夜のスーパーで働いていると言うと「大変だね…」と言われ、そこに同情のニュアンスを感じることがあります。大変なことは確かですが、別に私は可哀想ではありません

スーパーで働く一年前までは、経理の仕事をしていました。それを言うと「今の仕事ではもったいない」と良く言われます。でも、私はそうは思っていません。

経理は経理で楽しいですが、スーパーはスーパーで別の楽しさがあります。特に私にとってのスーパーは、パズルが沢山あってとても魅力的な場所なのです。

スーパーでは手を動かした分、その場でパズルの完成が形に現れます。それに、その完成図が多くの人の目に触れることも嬉しいです。陳列法によって売れ行きに差があるのを実際に目の当たりにするので、日々探求と試行錯誤の繰り返しです。

 

私は自分のこの特性(アスペルガー傾向)のおかげで、どんな仕事でも自分好みのゲームにして遊ぶことができます。そして勝手に遣り甲斐を感じられるので、結構お得だなと思っています。

今のスーパーでは、パズルという「好きなこと」ばかりをやれるのです。好きなことができなくなれば、きっとまた好きなことができる仕事を探します。

生活があるので収入面での妥協はできませんが、業種に関しては基本的に「何でも良い」です。今は経理よりもパズルが楽しい!それだけです。

次回の後編は「明日のパズル」についてです。これは私の完璧主義の塊のような領域になるので、正直長くなります。しかもとてもロジカルな内容になってしまうので、読んでも余り面白くないと思います。それでも宜しければ、是非…( → 次の記事: 夜な夜なパズル!ー後編ー )

 

( →: 【うさぎ年表】での分類:ブログをはじめる )