glay-usagi’s diary

ASDグレーゾーン「うさぎ」の、理解されない人生の記録

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『マスク』について

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前回の記事に引き続き、また「本を処分してしまったようで、手元のメモしかない」状態で書くことになります。本当に悔しいです。この『マスク』については、私にとってはとても重大な内容なのに…

 

その本には、DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)の内容がいくつか載っていました。その中で、私がメモを取ったのは次のふたつでした。(他にもメモをしていると思うのですが、メモがバラバラでどれが同じ本だかわかりません…)

 

自閉症スペクトラム障害の特徴

・社会的要求が、本人の制限されたキャパシティを越えるまでは表面化しない

後の人生で獲得した戦略よって隠されている(マスク)場合がある

 

このふたつ目の特徴によって、後になって「なぜ自分にはアスペルガーの特徴に当て嵌まらないと思える項目が多いのか」がわかりました。私には『マスク』がとても多いのです。

 

ところで、アスペルガーと聞いてパッと思い浮かぶ特徴のひとつに、収集癖があると思います。何かを異常なくらいにコレクションする、あることについてとても詳しい知識を持っている、などと言われます。

しかし、私は特に何も集めてはいませんし、何かに特別詳しい訳でもありませんでした。なのでこれも当て嵌まらない、とずっと思っていました。

 

しかし、ある頃に原因不明の体調不良が続いて、嫌と言うほど自分と向き合うことになったとき、はじめてわかったことがありました。私にとっては「世紀の大発見」と呼べるほどの発見でした。

私は『マスク』のコレクターだったのです。それは冒頭の本を読んで『マスク』のことを知った数ヶ月後のことでした。もう少し早く気づいていたらきっと、本を処分していなかったと思うのですが…

私はずっと、自分は他人の感情がわかる人間だと思っていました。どちらかと言うとエスパーだとさえ思っていました。ずっとずっと「人よりもわかる」という自信を持って生きて来たのです。

しかし、どうやら違うらしい。わかるのでは無くて、過去の経験で得たデータベースから分析しているだけなのでは?…とうとう、そう気づいてしまいました。

 

私は幼稚園のときに、大人の事情を察することを覚えました。そして母親の過干渉もあり、良い子でいるためにはどうしたら良いかを必死で学んだのだと思います。

それから自然と「先回りして顔色を読む」訓練がはじまりました。相手の反応を見て、その反応が現れる「直前の言動や表情、それにまつわるすべての印象」をインプットしていく。インプットは得意です。その情報の寄り合わせが、私のデータベースです。

記憶にある中では、4歳の頃から人の言動や表情を分析しています。30年以上、ずっと蓄積してきたことになります

 

これも最近になって気づきましたが、私は想定外の出来事に巧く対応できないようです。( → 参考記事: あらゆることを想定する ) そのため、人と接するときにはいつも「事前に想定しておく」必要があります。それにはこのデータベースが、とても重要な役割を果たすのです。

もしデータベースに無い反応があったら、それも新たなデータとして保存していきます。それを繰り返す内に、常に「その時々の年齢」にとっては余り有るほどの膨大な量のデータを持っていたのだと思います。

だから日常生活では「想定内に納まる」ことが多かった… それが「自分は人よりもわかる」という自信に繋がったのだと思います。

 

 

それでも、どんなにデータを蓄積しても相手は生身の人間、すべての感情を読むことは不可能… 実はこの事に気がついたのも、つい最近です。データベースを自覚してからのことです。

それまで私は、パターンをすべて覚えれば、どんな人のどんな感情もわかると考えていたようです。もちろん無意識でですが。

そのためデータベースに無い反応に出くわしたときに、もし相手が「特に興味の無い人」だった場合には、ただその反応を新規保存するだけで済みます。私にとっては、データが増えるので実に喜ばしいことです。

しかし相手が「わかって欲しい人」だった場合には、もうどうしたら良いのかわからなくなるほど動揺して、色んなことをしでかしてきました。それは追々書いて行きたいと思っています。

 

今は自覚しています。それでも動揺して固まったり、とんちんかんな受け答えをしたりは相変わらずですが、そこで自分を制御できることが増えました。怒りに振り回されることや、その後の破滅的な言動が随分と減りました。

私はこのデータベースのおかげで、対人能力に自信を持って生きて来ました。想定内の範囲なら、とても正確なコミュニケーションが取れます。それは実証済みです。想定を越えない限りは、相手だってそんなに私が変わっているとは思わないはずです。

それが、私が『後の人生で獲得した戦略で隠して来た』こと、すなわち『マスク』なんです。

 

私は物心ついた頃から、ずっと無自覚で『マスク』をコレクションしていたのです。そう気づいたときは、泣きながら大笑いをしました。全然エスパーなんかじゃなかった。自分でも騙されるくらいに、どれだけ必死でコレクションをしてきたのだろう?と。

そして、だいぶ楽になりました。私は人の感情がわからない。今でも途方に暮れてばかりです。でも、私はわかりたい。だからそのために、どんな工夫ができるのだろう?何に気をつけたらいいのだろう?

直接はわからなくても、間接的でも良いから少しでもわかる方法があるはずだと思うのです。そうやって、冷静になって考えることをはじめられるようになりました。やはり、自分のことを知ることは、とても意味のあることだと思っています。

 

( →【うさぎ年表】での分類:アスペルガーを疑いはじめる )